グラマラスレース

私がまだベトナム刺繍のブランドとして知られる

和キッチュの半衿をデザインしていた頃グラマラスレースは生まれた。

たっぷりとしたレース模様はボリュウムがあって、

半衿のデザインとしては

見たこともないような画期的な図柄だったと思う。

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さっそく絵柄をベトナムに住んでいる友人に送った。

彼女は直子さん。

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ベトナムのハノイの農家の人に刺繍を依頼してくれる。

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デザインを送りしばらくすると直子さんから刺繍が出来たというメールがあって、

画像を見たときは驚いた。

それは想像を超える美しさで、しばらくうっとりと画面を見つめていた。

思った通り、グラマラスレースはそれから飛ぶように売れる半衿になった。

買ってくれたみんなが、それを着て出かけると評判になる。

見た人が「ほしい!」と言ってウエブを通じて買ってくれた。

グラマラスレースはシーズン毎に、いろいろな色で作った。

買ってくれた人は他の色も欲しくなるようで、

いつもウエブショップにはソールドアウトの文字がつく幻の半衿になった。

数年がたち、私は思いどおりの刺繍が出来るミシンを手に入れた。

するとベトナムで手刺繍の半衿を作るのと同事に

私も自分で刺繍半衿を作れるようになる。

単純な絵柄から少しずつ複雑な刺繍も作れるようになっていった。

私が変化したように、ベトナムでもいろいろな物が変っていった。

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今まで刺繍をしてくれていた村の女性は年をかさね、

若い人は重労働である農業をやめて、工場に働きに行くようになった。

もう農閑期にやっていた刺繍をすることもなくなった。

ベトナムのグラマラスレースは作ることが出来なくなった。

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一方、私のミシン刺繍の腕前は少しずつ上がってゆき、しだいに、

絵を描くように刺繍が出来るようになった。

エナガも豪華な薔薇の花も。

ベトナム刺繍のために作っていたデザインはすべて

ミシン刺繍で再現出来るくらいになった。

でもグラマラスレースはまだミシンで作っちゃダメ。そう思った。

グラマラスレース半衿は、あいかわらず人気があって

持っている人は、本当に大切に着てくれる。

グラマラスの半衿を付けた写真をインスタグラムや、フェイスブックなどで見かけると

とても嬉しかった。

と同事に、もう作ることが出来ないし申し訳ない気持ちにもった。

また作ってくださいという声を耳にするたび、またいつか、と曖昧に応えていた。

そして。

今年の夏、グラマラスレースのステッチを

ミシン刺繍に変換する作業に取りかかった。

はたしてあのボリュームが出せるのか?

手刺繍の柔らかさが再現出来るのか?

布をセットして刺繍を始め、試行錯誤を繰り返しながら

グラマラスレースの刺繍が蘇っていった。

お待たせしました。

とても時間がかかってしまったけれど

ようやく、待ってくれていた人に

グラマラスレース半衿を楽しんでもらえる準備がととのいました。

グラマラスレース

ウエブショップやイベントで

蘇ったグラマラスレースをぜひご覧になってください。